オリジナルの持つ持ち味と個性を極力抑え、プロットからストーリーを再構築することで、ジャック・ニコルソンのカリスマ性とバイオレンス描写を強調したまったく違ったタイプのギャング映画の傑作
★★★★ 85点

THE DEPARTED
メディア 映画
上映時間 152分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ワーナー)
初公開年月 2007/01/20
ジャンル サスペンス/ドラマ/犯罪
映倫 R-15
男は、死ぬまで正体を明かせない。
監督: マーティン・スコセッシ
製作: マーティン・スコセッシ
ブラッド・ピット
ブラッド・グレイ
グレアム・キング
製作総指揮: G・マック・ブラウン
ダグ・デイヴィソン
クリスティン・ホーン
ロイ・リー
ジャンニ・ヌナリ
脚本: ウィリアム・モナハン
オリジナル脚本: アラン・マック
フェリックス・チョン
撮影: ミヒャエル・バルハウス
プロダクションデザイン: クリスティ・ズィー
衣装デザイン: サンディ・パウエル
編集: セルマ・スクーンメイカー
音楽: ハワード・ショア
出演: レオナルド・ディカプリオ
マット・デイモン
ジャック・ニコルソン
マーク・ウォールバーグ
マーティン・シーン
レイ・ウィンストン
ヴェラ・ファーミガ
アレック・ボールドウィン
アンソニー・アンダーソン
ケヴィン・コリガン
ジェームズ・バッジ・デール
デヴィッド・パトリック・オハラ
マーク・ロルストン
ロバート・ウォールバーグ
クリステン・ダルトン
J・C・マッケンジー
★解説★
大ヒット香港ノワール「インファナル・アフェア」をハリウッドの豪華スタッフ・キャストでリメイクした犯罪サスペンス。警察に潜入したマフィアの男と、マフィアに潜入した警察の男、そんな対照的な2人を待ち受ける皮肉な運命を、重厚かつリアリティあふれる演出でスリリングに描き出す。主演はレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン、共演にジャック・ニコルソン。監督は「グッドフェローズ」「アビエイター」のマーティン・スコセッシ。
マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志したビリー・コスティガン。一方、マフィアのボス、コステロによって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業する。やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。一方ビリーは、その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうして、それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく…。
★レビュー★
香港映画「インファナル・アフェア」は、トニー・レオンとアンディ・ラウ、アンソニー・ウォンとエリック・ツァンが絶妙のパワーバランスを持った傑作サスペンスアクションだった。
その崩れそうで崩れないパワーバランスが緊張感と緊迫感を維持し続け、ケリー・チャン演じる精神科医がその緊張を緩和する唯一の存在として物語に癒しとロマンスを与えていた。
悪に染まりながらも、正義に憧れる、警察に潜入するマフィアという複雑でナイーブな役を演じたアンディ・ラウの演技が素晴らしく、トム・クルーズのような圧倒的なカリスマ性を持った無敵のナイスガイ&アクションヒーローといったイメージを覆した(逆に、トム・クルーズは「コラテラル」で悪役に挑戦するが、悪役に徹しきれずに失敗)
「太陽にほえろ」の石原裕次郎のような、アンソニー・ウィンの燻し銀が炸裂し、とにかく見るべき箇所の多い映画だった。
「ディパーテッド」の製作のNEWSを聞いたとき、脳裏をよぎった「ディカプリオとマット・ディモンの役柄は逆ではないか?」という思いを、映画の最後まで拭うことは出来なかった。
とは言うものの、スコセッシ監督はこれらのオリジナルの持つ持ち味と個性を極力抑え、プロットからストーリーを再構築することで、ジャック・ニコルソン演じるアイルランド系ギャングのボス、フランク・コステロのカリスマ性とバイオレンス描写を強調したまったく違ったタイプのギャング映画としての性格を持たせた。
香港映画のハリウッドリメイクとしては、かつてないほど成功していると思う。
「グッド・フェローズ」を彷彿させるような過激で残虐なバイオレンス描写と、「タクシードライバー」のような歪んだ宗教観と倫理観が上手くブレンドされたハードなサスペンスアクションとして見ごたえ十分な傑作だった。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」とスコセッシ監督とのコンビが続くディカプリオの好演が光り、脇を固めるマーティン・シーン、アレック・ボールドウィン、マーク・ウォルバーグなど、あまりにも豪華な俳優陣も上手く機能していた。
大幅に主演時間を増やさせたジャック・ニコルソンの存在感は圧倒的で、この映画全体に大きな支配力を誇示していた。
しかし、それらが逆に敵役のマット・ディモンの存在感を薄めてしまったのは残念だ。
結果、立場の入れ替わった善と悪の対決の要素は弱まり、よりリアリティと悲壮感溢れる完成度の高いギャング映画となった。
「ディパー・テッド」はDVDで出たらもう一度観たい刺激的でスリリングでカッコイイ、良い映画だった。
だが「ディパー・テッド」を観て、改めて「インファナル・アフェア」のオモシロさを再認識した。

★★★★ 85点

THE DEPARTED
メディア 映画
上映時間 152分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ワーナー)
初公開年月 2007/01/20
ジャンル サスペンス/ドラマ/犯罪
映倫 R-15
男は、死ぬまで正体を明かせない。
監督: マーティン・スコセッシ
製作: マーティン・スコセッシ
ブラッド・ピット
ブラッド・グレイ
グレアム・キング
製作総指揮: G・マック・ブラウン
ダグ・デイヴィソン
クリスティン・ホーン
ロイ・リー
ジャンニ・ヌナリ
脚本: ウィリアム・モナハン
オリジナル脚本: アラン・マック
フェリックス・チョン
撮影: ミヒャエル・バルハウス
プロダクションデザイン: クリスティ・ズィー
衣装デザイン: サンディ・パウエル
編集: セルマ・スクーンメイカー
音楽: ハワード・ショア
出演: レオナルド・ディカプリオ
マット・デイモン
ジャック・ニコルソン
マーク・ウォールバーグ
マーティン・シーン
レイ・ウィンストン
ヴェラ・ファーミガ
アレック・ボールドウィン
アンソニー・アンダーソン
ケヴィン・コリガン
ジェームズ・バッジ・デール
デヴィッド・パトリック・オハラ
マーク・ロルストン
ロバート・ウォールバーグ
クリステン・ダルトン
J・C・マッケンジー
★解説★
大ヒット香港ノワール「インファナル・アフェア」をハリウッドの豪華スタッフ・キャストでリメイクした犯罪サスペンス。警察に潜入したマフィアの男と、マフィアに潜入した警察の男、そんな対照的な2人を待ち受ける皮肉な運命を、重厚かつリアリティあふれる演出でスリリングに描き出す。主演はレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン、共演にジャック・ニコルソン。監督は「グッドフェローズ」「アビエイター」のマーティン・スコセッシ。
マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志したビリー・コスティガン。一方、マフィアのボス、コステロによって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業する。やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。一方ビリーは、その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうして、それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく…。
★レビュー★
香港映画「インファナル・アフェア」は、トニー・レオンとアンディ・ラウ、アンソニー・ウォンとエリック・ツァンが絶妙のパワーバランスを持った傑作サスペンスアクションだった。
その崩れそうで崩れないパワーバランスが緊張感と緊迫感を維持し続け、ケリー・チャン演じる精神科医がその緊張を緩和する唯一の存在として物語に癒しとロマンスを与えていた。
悪に染まりながらも、正義に憧れる、警察に潜入するマフィアという複雑でナイーブな役を演じたアンディ・ラウの演技が素晴らしく、トム・クルーズのような圧倒的なカリスマ性を持った無敵のナイスガイ&アクションヒーローといったイメージを覆した(逆に、トム・クルーズは「コラテラル」で悪役に挑戦するが、悪役に徹しきれずに失敗)
「太陽にほえろ」の石原裕次郎のような、アンソニー・ウィンの燻し銀が炸裂し、とにかく見るべき箇所の多い映画だった。
「ディパーテッド」の製作のNEWSを聞いたとき、脳裏をよぎった「ディカプリオとマット・ディモンの役柄は逆ではないか?」という思いを、映画の最後まで拭うことは出来なかった。
とは言うものの、スコセッシ監督はこれらのオリジナルの持つ持ち味と個性を極力抑え、プロットからストーリーを再構築することで、ジャック・ニコルソン演じるアイルランド系ギャングのボス、フランク・コステロのカリスマ性とバイオレンス描写を強調したまったく違ったタイプのギャング映画としての性格を持たせた。
香港映画のハリウッドリメイクとしては、かつてないほど成功していると思う。
「グッド・フェローズ」を彷彿させるような過激で残虐なバイオレンス描写と、「タクシードライバー」のような歪んだ宗教観と倫理観が上手くブレンドされたハードなサスペンスアクションとして見ごたえ十分な傑作だった。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」とスコセッシ監督とのコンビが続くディカプリオの好演が光り、脇を固めるマーティン・シーン、アレック・ボールドウィン、マーク・ウォルバーグなど、あまりにも豪華な俳優陣も上手く機能していた。
大幅に主演時間を増やさせたジャック・ニコルソンの存在感は圧倒的で、この映画全体に大きな支配力を誇示していた。
しかし、それらが逆に敵役のマット・ディモンの存在感を薄めてしまったのは残念だ。
結果、立場の入れ替わった善と悪の対決の要素は弱まり、よりリアリティと悲壮感溢れる完成度の高いギャング映画となった。
「ディパー・テッド」はDVDで出たらもう一度観たい刺激的でスリリングでカッコイイ、良い映画だった。
だが「ディパー・テッド」を観て、改めて「インファナル・アフェア」のオモシロさを再認識した。


